小学校になると、幼稚園や保育園の時にはなかった新しいことがあるために、初めの子供が小学校に上がるママ達は何かと戸惑うことがあるでしょう。そのひとつが連絡帳です。30年前を振りかえってみても、今のような連絡帳はありませんでしたので、連絡帳をどう使ったらいいのかわからないママはたくさんいます。
小学校で使う連絡帳の役割
保育園によっては、やっぱり連絡帳があり、毎日子供の様子や成長を先生達とやり取りをしていたママもいるでしょう。仕事と育児で毎日、あっという間に時間がすぎていくので、育児日記はつけられなかったけれど、保育園の連絡帳が子供の成長を記録した貴重な記念になっているのではないでしょうか。
ところが、小学校での連絡帳の使われ方は保育園の時のものとは違います。連絡帳の目的と正しい書き方例をお伝えしますので、新一年生のママは、参考にしてください。
目的
小学校での連絡帳の主な目的は、子供が親に次の日の学校に必要なものや授業内容を親に伝えることです。ひらがなが書けるようになると、先生が黒板に書いた、次の日の時間割、宿題、持ち物、行事や先生からの連絡を自分で連絡帳に書きます。学校や先生によっては、プリントしたものを手渡すこともあるようです。
入学したばかりのころは、子供が書いてきた連絡帳を読んで、翌日の時間割などを一緒に確認しましょう。
それでは、家庭から学校や先生に連絡したいことがある時に、連絡帳は使えないのかというと、その場合にも連絡帳を活用します。お休みや遅刻、、早退などの連絡、子供の体調などの伝えたい連絡事項も連絡帳を通してやり取りができます。
正しいマナー(文例)
連絡帳を書く時に、かしこまることもありませんが、必要最低限のマナーを意識して書くようにしましょう。季節の挨拶などはいりませんが、「いつもお世話になっています。」で始まり、「よろしくお願いします。」や「ありがとうございます。」で終わるようにします。文体は「ですます調」を使って、わかりやすく用件を伝えることが大切です。
連絡帳の書き方をいくつか紹介しますので、必要に応じて書き換えながら活用してください。
体調をくずして、学校をお休みする時
「いつもお世話になっています。夕べから熱があるために、今日はお休みをさせていただきます。よろしくお願いします。」
「お世話になっています。熱はないのですが、朝から喉と頭が痛いようで、今日は一緒に病院へ行こうと思います。一日お休みをしますので、よろしくお願いします。」
この時に、連絡帳の受け取り方も伝えておくと、先生も誰に渡したらいいのかすぐにがわかります。
「連絡帳は同じクラスの○○さんに渡していただけますでしょうか?○○さんにはすでに伝えてあります。」
「放課後、学校に連絡帳を取りに伺いますので、夕方4時ごろまで預かっていただけますでしょうか?」
などと付け加えておけば、受け取った連絡帳をどうしたらいいのか、先生も悩まずにすみます。
体育を見学する時
「おはようございます。きのう家の前で転んで、足をすりむいてしまいました。学校には行けるのですが、様子を見て今日の体育は見学させていただきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。」
早退をする時
「いつもありがとうございます。今週末、親類の結婚式に出席するために、金曜日のお昼に福岡に向けて出発します。そのため、明後日の金曜日は午前中の授業が終わりましたら、早退をさせてください。給食の前に迎えに行きますので、よろしくお願いします。」
前もって、お休みや早退する日が決まっている時には、余裕を持って数日間に連絡をしておきましょう。一人かけることで、授業内容を変更する場合もありますので、臨機応変に連絡帳を活用しましょう。
ダメな書き方
連絡帳を書く時に、頭に入れておくことで、提出してから後悔しないですむポイントをお伝えします。
簡潔さとマナーの両立
多くの保護者が想像するよりも、小学校の先生の学校でのスケジュールはとてもタイトに動いています。そのために、連絡帳を使う時には、簡潔に書くことが基本になりますが、挨拶のない連絡帳の書き出しは、よいマナーとは言えません。「お世話になっています」や「おはようございます」から始めることをおすすめします。
丁寧すぎて、何が用件なのかが伝わらない書き方もNGです。伝えたいことがいくつかある時には、箇条書きにするなどして工夫をしましょう。
依頼をする時の書き方
先生に何かをお願いする時に、「○○してください。」で止めてしまうのではなく、「○○していただけますでしょうか?」と疑問形で終わらせることをおすすめします。「○○してください。」は一見丁寧に聞こえますが、極端に言うと命令形にも取れてしまいますので、お尋ねする形にするのがベストです。
「お世話になっています。夕べ、お腹が痛いと辛そうにしていましたので、今日のプールは見学させたいと思っています。今朝はけろっとしていて元気にしていますので、本人はついプールに入ってしまうかと思います。先生からプールは見学することになっていると、本人に声をかけていただけますでしょうか?よろしくお願いします。」
一方的な内容を避ける
学校生活を送っていると、子供が休み時間や放課後に怪我をしたり、友達同士でけんかをしたり、いやな思いをしてしまうこともあるでしょう。そんな時には、子供の言い分や気持ちをちゃんと聞いてあげることが大切です。
そして、その後の連絡帳でのやり取りの仕方が、重要になってきます。もちろん子供のことは信じているのはどのママも同じでしょう。ただ、物事は見方を変えると違って見えたり、ちょっとした行き違いや勘違いが始まりのこともあります。先生や相手の子供を攻める立場で、連絡帳に書くことはおすすめできません。
相手の子供にも同じように言い分があるでしょう。冷静に対応してみると、心配するようなことでもない場合が、かなりあります。あくまでも連絡帳を使う時には、中立の立ち居地で書きましょう。
また込み入った内容の場合には、連絡帳ではなく、別の用紙に書けば、日ごろの連絡と分けられるので、うっかり他の人が見てしまうことを防げます。
連絡帳に関する疑問
小学校の連絡帳の使い方が、よくわからないと言うママ達が、かなりいます。自分たちが通っていたころにはなかったものなので、戸惑うのは当然です。小学校の連絡帳のことでよく上がる疑問の一般的な回答を紹介します。
毎日書く必要があるの?
学校の連絡帳は毎日書く必要はありません。伝えたい連絡事項がある時だけに使うものなので、普段はランドセルの中に入れておけばいいでしょう。また、小学校の先生は、勤務中は業務に追われ、給食を5分で食べて、連絡帳への返信やその他の必要な仕事をしているので、連絡しなくてはならないことがある時だけ、連絡帳を活用しましょう。
書面よりは電話や直接会って、話しをしたほうが簡潔に伝わる場合などは、先生の都合を連絡帳で確認をしてから、電話や訪問をします。
預ける友達がいない場合の対応方法は?
子供が学校を休む時や遅刻をする時には、連絡帳を使って、学校に連絡をします。多くのお母さんがこのシステムになじみがありません。保護者からしたら、電話をかければすむことでは思いますが、最近の学校の事情は、以前とは違っています。
特に忙しい朝の時間に、先生が電話に出ると、他の業務に差支えが出てしまったり、学校の回線が込み合うことがあるようです。そのため、子供の体調が悪く、急に休まなくてはならなくなった時にも、連絡帳にその旨を書いて、同じ小学校に通う子供に連絡帳を預けます。
体調を崩して、子供が学校を休む日はそれほど多いことはないでしょう。年に数回あるかないかではと思いますが、それでも、お母さんからしてみても忙しい朝の時間に、子供が突然体調を崩したら、やっぱり慌ててしまうでしょう。
兄弟が一緒に通っていたり、すぐ近所にお願いできる友達がいるケースはいいでしょう。でも、入学したばかりで、周りに知り合いがいない場合もあります。学校によっては入学と同時に、連絡帳を持って行ってくれる友達を数人書いて提出するようです。
同じクラスや学年の子である必要はありませんが、近所に持って行ってもらえる子供に心当たりがない時には、先生に相談をしてみましょう。学校側から、連絡帳でのやり取りを指定していますので、きちんと対応をしてくれるはずです。
連絡帳を預けた友達にお礼は必要?
もちろんお礼は必要でしょう。でも、何か買って返すのではなく、「連絡帳を届けてもらって、とても助かった。どうもありがとう。」という気持ちを素直に伝えましょう。心からの感謝の気持ちは、子供にとっても充分な「お礼」として届くのではないでしょうか。
今の連絡帳の使い方に慣れていないお母さんにとっては、「昔は電話で連絡できたけれど。」などと面倒に感じることもあるでしょう。それでも、今の学校と先生の環境を考えると、現在の使い方が最良の方法なのでしょう。
全ての学校で同じように連絡帳が使われているわけではありませんので、改善点があるのなら、先生と家庭にとって、そして子供たちにとっても、よりよい方法を見つけていくことは可能ではないでしょうか。